不動産もなんと値下がりする!韓国も不動産神話が崩壊!?

韓国、不動産神話崩れる、値上がり期待一転、低迷長期化、消費・建設投資に冷や水。


 【ソウル=島谷英明】韓国で「必ず値上がりする」と信じられてきた“不動産神話”が崩れている。ソウル首都圏を中心に、米金融危機後に起きたマンション売買件数や取引価格の落ち込みが長期化。個人消費や建設投資の足を引っ張り、家計の負債膨張や中小金融機関の経営悪化を招いている。ウォン安を武器に輸出主導で力強く成長しているようにみえる韓国だが、不動産不況が国内経済に重くのしかかっている

首都圏落ち込む
 ソウル近郊のベッドタウン、龍仁市。幹線道路沿いに立ち並ぶ新築の高層マンションは夜でも明かりがともる世帯は半分ほどだ。「分譲中。価格は問い合わせを」。完工から1年近い別の物件には値下げをにおわす垂れ幕が掲げられている。
 7月の首都圏のマンション売買件数は約1万3800件。2008年の最悪期は脱したものの、過去5年平均を2割下回る低水準で推移している。地方は比較的堅調だが、人口の4割強が集中する首都圏の落ち込みがもたらす影響は大きい。
 ソウルのマンション価格は昨年夏以降、毎月小幅な下落が続く。ソウル市南部の人気エリアにある約80平方メートルの中古マンションが9億ウォン(約6400万円)とピーク時に比べて2億ウォン値下がりするなど、局所的には大幅な値下がりも目立つ。

 韓国の実質国内総生産(GDP)の伸び率は10年に6・2%、11年も4%台半ば(政府予想)と堅調な拡大が続く。だがエンジン役は輸出で、民間消費主体の内需は力強さを欠く。その元凶が長引く不動産不況だ。
 韓国の家計資産は8割を不動産が占める。日米の2倍にのぼり、不動産市況が家計の景況感や消費意欲を決定づける効果が大きい。市況低迷で差益を狙っての転売が難しくなったほか、消費意欲も減退。不動産を軸とする家計マネーの回転が鈍っている。

 売買落ち込みの背景には07年ごろまでの活況期に需要予測を無視して開発された物件のだぶつきがある。首都圏の未分譲住宅は2万6000戸強と高水準で、先安観がぬぐえない。
 「本当に値上がりするのかリスクが高い」。ソウル市内にマンションを所有する政府系金融機関の部長は最近、2軒目の購入計画を取りやめた。18年ごろからと予測される人口減少などで「バブル崩壊後の日本のような長期低迷が始まった」と警戒する。
中小金融に余波

 新たな危機の芽も生まれている。住宅需要は賃貸物件に流れ込み、ソウル市内のマンション賃貸料は昨年から毎月2桁の上昇率で家計を圧迫。不動産開発に貸し込んだ中小金融機関の「貯蓄銀行」は全体の2割に相当する10~15行程度で経営が不安視されている
 こうした問題を一挙に解決するには「政策の後押しで不動産市場を活性化すべきだ」(大手銀行の経営首脳)との指摘もあがる。だが一方で持ち家のない低所得者層の間では価格下落は「高すぎた価格が正常化しているだけ」との見方も根強い。
 李明博(イ・ミョンバク)政権には、ただでさえ「大企業・カネ持ち優遇」との批判がつきまとう。不動産取引のテコ入れや価格の押し上げに直結する政策には踏み込みにくいのが実情だが、不動産沈滞の副作用と内需低迷が連動する構図は深まっている。
2011/09/06 日本経済新聞 朝刊




韓国も不動産神話が崩壊?(景気指標)


 「値上がりはしても、下がることはない」という不動産神話。韓国でも疑問符が付いた
 韓国の2010年の実質経済成長率は6・2%。世界同時不況により大きく落ち込んだ09年の0・3%から、劇的に回復した。しかし、不動産市況は低迷を続け、今年3月末以降、首都圏のマンション価格は16週連続で下落した。

 人口学の視点から神話の崩壊を説いたのが有力紙、朝鮮日報の宋熙永・論説主幹だ。3月26日付のコラムで「主な購入者である生産年齢(15~64歳)人口の減少が住宅価格下落に大きく影響する」というG・マンキュー・ハーバード大教授の主張を引用している。
 宋主幹は「日本の生産年齢人口のピークは1995年だったが、その4、5年前に不動産価格が暴落した」と実例を挙げたうえ、「韓国も今から4、5年後に同人口のピークを迎える」と、すでに“危険水域”に入っていることを強調。返す刀で危機感の薄い政府を厳しく批判した。

 不動産中心の資産構造という韓国の特殊事情に注目して、いっそう悲観的な予測を発表したのがKB金融経営研究所だ。最近の報告書で「80年代の価格高騰の主役を演じたベビーブーム世代が、これから一斉に住宅を売却する可能性が高い。その際は不動産市況が急落しかねない」と警告した。
 韓国は55歳定年の会社が多く、全人口の14・1%を占めるベビーブーム世代(朝鮮戦争後の55年生まれから63年生まれまで)の引退が昨年に本格化した。一方、国民年金の支給開始年齢は65歳で、10年間の空白期間がある。

 平均的な保有資産は日本円換算で約2500万円だが、不動産の比率が74・8%と極めて高いのが特徴だ。預金は400万円強にとどまるのに、住宅ローンなどで600万円前後の負債を抱える。この返済と、生活費確保のために持ち家を売りに出る人が相次ぐだろうと同研究所は予測したのだ
 中国やタイも日本の後を追い急速に少子高齢化が進む。アジアの景気を観測するにも人口関連データを読み解くのが必須の時代となった。 (編集委員 鈴置高史)
2011/08/16 日本経済新聞 朝刊

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by love_kankoku | 2011-09-06 23:02 | 政治・経済(1341)