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ウォン高でサムスンの輸出にも打撃!日韓が抱える経済ジレンマ

円安ウォン高でサムスンの輸出にも打撃 日韓が抱える経済的ジレンマ

日本にとって近くて遠い国と呼ばれ続けてきたおとなり韓国。近年ではK-POPや韓流ドラマなど文化的な面だけでなく、サムスンや現代自動車の隆盛など経済的な競争相手としても交流が増えてきている同国の政治や経済はどうなっているのだろうか? 韓国の国内事情に視座を置きつつ、日本との関係の中でどんな影響があるのかを追ってみようー。

 最近、韓国の経済テレビ番組が騒がしい。
 話題はもっぱら、ウォン高騰とアベノミクスへの期待感に煽りを受けた円安状況。そして、その帰結としての韓国輸出産業の競争力低下だ。
 これまで過去三度の量的緩和を行ってきたアメリカが事態を黙認していることに対して疑問を呈する声が上がり、「日本に対して圧力をかけるべきだ」という物議がさかんに行われている。また、ユーロ高にあえぐ欧州勢が円安問題を国際社会に提起する兆しに望みをかける論調も見受けられる。

 実際、円安が韓国に及ぼす影響はどのくらいなのだろうか?
 イメージしやすいところでは、旅行関連の業種に影響が及びはじめていることだ。円安の影響を受け、日本の観光客が激減しているという話題が、連日メディアをにぎわせている。
 また2月5日に大韓商工会議所が発表した韓国国内の中小輸出業社向けの調査では、回答企業の93%がウォン高騰の打撃を受けていると答えた。中でも、日本との競合業種である家電や自動車の場合はさらに顕著で、アンケートに答えた企業の100%が損失を免れられないと回答している。自動車製造業大手の現代自動車が、1月末に第4四半期の連結決算を公開。11年の同時期に比べて営業利益が11.7%と減少したと発表したのは、記憶に新しいところだろう。




 一方、一部には韓国企業の海外現地化が進んでいることや、サムスンなど大企業のブランド力向上を理由に、事態を楽観視する有識者も韓国にはいる。ただ、これらは「一縷の望みを」程度の意見に過ぎず、全体的に見るとごく少数派だ。ここに紹介したのは、韓国におけるウォン高騰による騒ぎの一例で、そのすべてを数え上げていけば枚挙にいとまがない。
 日本の報道を見ると、韓国の大企業からイニシアチブを取り返すという点だけがクローズアップされている。韓国にもそのような論調があるのは事実だが、関係各所が過敏に反応するのには、実は別の理由の方が大きい。

 そもそも、韓国が過度な貿易依存型の経済であることは広く知られている。昨年8月、韓国銀行は、韓国の貿易依存度(対GDP比貿易額)が113.2%にまで達したと発表。日本の貿易依存度が25%くらいだと言われているので、為替の変動による影響の差は一目瞭然だろう。また、国内全産業のうち製造業が占める割合が50%以上に達したとも報じた。
 さらに問題なのは、その製造業や輸出業において大部分のシェアを占める財閥系大企業(サムスンや現代など)が、サービス業などの国内産業へ新規参入を続け、市場の多様性が著しく損なわれる状況が加速しているということだ。

●韓国と日本、新政権の公約に見る共通点は「経済の国民生活への還元」
 連日、韓国メディアが騒ぎたてる要因は、ずばりここにある。
 というのも、韓国の財閥系グループ企業は、相互に出資を行っている構造があるため、ウォン高騰により製造業や輸出業がダメージを受けると、彼らが影響力持つ広範囲の国内産業も共倒れになり、韓国国民経済全体に致命的なダメージを及ぼしかねないのだ

 今回新たに大統領に就任するセヌリ党のパク・クネ氏は、この経済構造の解消と財閥企業への過度な利益集中の防止、格差の是正を公約に掲げた。いわゆる「経済民主化」だ。
 この公約を守れるか否かが、政権の早期レームダック化を防ぐ最大の試金石になる。言い換えれば国民生活の向上が、パク・クネ新政権の最重要課題となっているのだ。
 だた、膨張し続けようとする財閥系企業に依存しながら、格差の是正や再分配機能を強化するというのは簡単ではなさそうだ。

 というのも、これまでの韓国歴代政権も大企業の成長を促すウォン安政策を主導してきたが、恩恵をこうむったはずの財閥系企業が政府に対してロビー活動や圧力を強め、賃金の引き上げなどを達成できなかった。現在では、物価だけが上昇し格差が広がるという状態が慢性的に続いている。これは、保守や革新問わず、韓国歴代政権が最終的に財閥系企業の軍門に下ってきた証拠と言える。

 余談だが、パク・クネ新大統領の父親であるパク・チョンフィ元大統領は、韓国の大企業や財閥に(かなり露骨な)優遇政策を敷くことで、韓国経済を発展させた“功労者”として支持されてきた一面がある。当時を知っている保守党支持者のひとりによると「友人が飢えて死んで行った時代に経済を発展させてくれた。3代先まで支持してもおつりがくる」ほど経済発展に寄与したという認識らしい。トリクルダウン理論(大企業が富むと、国民経済にその恩恵が広まる)の効果を、庶民にもしっかりと実感させることができた大統領というわけだ。
 娘のパク・クネ新大統領は、そういう父親を支持してきた層に支えられていると言っても過言ではない。だが逆に言ってしまえば、現在の不安定な経済構造と財閥の市場独占状況を作りだした張本人の娘ともいえる。そのパク・クネ氏が「経済民主化」に向かうというのは、皮肉もしくは運命としか言いようがない。

 さて、同じ2世議員である安倍総理をトップに据えた日本政府も、経済再生と国民生活の向上を政権の最重要課題に掲げている。今月12日に行った経団連をはじめとする経済3団体との会合では、アベノミクスへの期待感で業績が向上した企業に賃上げを求めた。国民生活への還元で、政策の有効性を証明しようという狙いがあるのかもしれない、と日本の有力紙は報じている。
 ただ、賃金が上がることなく物価だけが上昇することになれば、相対的に国民の生活は圧迫されてしまうだろう。実際に、最近のガソリン高騰などは、すでに日本の庶民生活を締め付けはじめている。
 財閥や大企業、そして輸出依存度には差があるものの、日本と韓国が持つ経済的ジレンマに類似点が多いのは単なる偶然だろうか。

 新政権同士の奇妙な共通項を持ちながらも、国際的な競争の度合いを年々強めている日本と韓国。
 現在、日本が先手を打ったかたちだが、韓国国内ではウォン高に対して新たな対策を取るべきだという報道が連日報じられている。円安ウォン高状況が、今後どのように推移していくか。いましばらく見守る必要がありそうだ。
2013/2/25 08:09 Business Journal 河 鐘基

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by love_kankoku | 2013-02-26 01:04 | 政治・経済(1341)