「技術情報保護へ新法を」、産業界、不正競争防止法では限界!

「技術情報保護へ新法を」、産業界、不正競争防止法では限界、営業秘密や企業ノウハウ、国外流出が課題に。


 産業界で企業の営業秘密や技術、ノウハウなどの情報流出を防ぐ施策を求める声が高まっている。企業にとって重要な知的財産であるものの、特許などの形で権利化されておらず、国外漏洩が大きな問題になっているためだ。新興国企業が台頭するなか、日本企業の競争力の源である情報を守るための新法など法整備や官民の協力体制づくりを呼びかけている。(瀬川奈都子)

 営業秘密は特許と同じく重要。罰則を重くし海外流出を防ぐ法整備が必要だ」「情報が盗まれたことを立証する責任を軽くしてほしい――。11月28日に開かれた政府の知的財産戦略本部の委員会で、経団連や大手電機メーカーの参加者が相次いで対策を求めた。
 こうした声が高まっているのは、新日鉄住金が昨年4月、電磁鋼板に関する営業秘密などを不正に取得したとして日米で韓国ポスコを提訴したのがきっかけだ。
 新日鉄住金は訴訟の一方で、営業秘密を守るための法整備を実現しようと関係省庁に働き掛けている。東京地裁では、ポスコを不正競争防止法(不競法)違反で訴えたが、「今の法律では戦えない」(同社知財担当者)と感じているためだ。
どこの法で争う




 まず入り口に立ちはだかるのは裁判所の管轄問題だ。同社によれば、元社員が国内で技術情報を盗み、韓国のポスコ工場内でその情報が使われ、米国などでそのポスコ製品が売られている。
 侵害の過程が国をいくつもまたいでいるが、不競法はこうした場合の準拠法や裁判管轄を明確に定めていない。どこで、どの国の法律で争うのか自体を、まず裁判で決めなくてはいけないのだ。
 中身の審理に入っても課題は残る。現行法では侵害の立証責任は原告側にあるが、特に海外の工場で自社の情報が使われたことを証明するのは至難の業だ。
 さらに、不競法を巡って被害企業が戸惑うことが多いのが、法が求める「情報の秘密管理性」の要件だ。秘密に管理された情報でなければ不競法では守られない。「知れ渡っている情報が漏れたからといって、漏らした者を罰することは不適当」というのが理屈だ。

一貫性欠く判例
 だが、どこまでの措置を講じれば、訴訟で「秘密に管理した」と認められるのかが分かりにくい。被害企業が裁判で勝てない大きな要因となっているだけでなく、裁判例に一貫性がないと指摘する専門家も多い。
 法律を所管する経済産業省は、指針としてチェックシート方式による細かな管理手順を示している。だが、裁判で認められる最低ラインを示すものではないため、全て守ろうとすると日々の業務に支障が出かねない。
 「『営業秘密』という定義の利用をやめ、企業内のデジタルデータを企業が望まない形で使用し、企業に損害を与えること自体を罰する『電磁的記録保護法制』を整備すべきだ」(情報関連法制に詳しい梅林啓弁護士)との意見もある。

 状況を問題視してきた元特許庁長官の荒井寿光氏は「国外流出への罰則を重くすべきだ」と主張する。米国や韓国などと違い、日本では営業秘密を国外に持ち出しても罰則は国内と同じ。荒井氏は現状10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金を、海外向けは15年、1500万円へと引き上げる案を提唱する。
 実は、不競法に基づく営業秘密漏洩が訴訟に発展するのは氷山の一角だ。経産省の調べでも民事訴訟件数は、多い年でも年間十数件にとどまる。法制度上の問題だけでなく、企業側が「盗まれるのは情報管理が甘いから」と思われることを懸念して提訴をためらうという側面も大きい。
米では官民連携

 一方、米国ではどうか。米連邦捜査局(FBI)が積極的に捜査にあたるほか、国が独自調査や民間からの情報提供に基づいて企業側に経済スパイに関する情報を提供、漏洩防止に役立てているという。日本知的財産協会(東京・千代田)の久慈直登専務理事は「こうした仕組みを日本も作るべきだ」と主張する。
 ただ、営業秘密保護法制の整備は企業にとって両刃の剣だ。行き過ぎた規制は人材の流動化を鈍らせ、人材を引き抜いて成長する国内のベンチャー企業にとって足かせになりかねない。
 憲法が定める職業選択の自由への配慮も必要だ。「雇用の流動性が高まるなか、頭の中の情報を使って労働者がキャリア形成することを妨げる法制は避けなくてはならない」(東京大学の玉井克哉教授)とみる専門家は多い。
 国境を越えた知財紛争に対処しようと国内法を整えても、最後は相手の国で執行できるかどうかという問題が残る。紛争解決には国家間の連携は欠かせず、バランスのとれた議論が必要だろう。
2013年12月02日 日本経済新聞

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by love_kankoku | 2013-12-03 23:44 | 政治・経済(1341)